TEL.06-6341-5222

診療案内
痔について
痔の種類
痔核(いぼじ)
痔の中で最も多い病気で、肛門から直腸下部の周囲にある、細かい血管にうっ血が起こり、腫れ上がり、垂れ下がって来て生じたものです。肛門の循環障害と組織の弛みが原因で、発生する場所で内痔核、外痔核といわれます。内痔核は痛みを感じることは少なく、出血によって初めて痔に気づく場合が多いので注意が必要です。放置するとクルミやゴルフボールの大きさになる場合があります。
痔瘻(じろう)
直腸と肛門の境目にある肛門腺に、下痢などによって肛門の組織に細菌が入り込み、感染により化膿して肛門周囲膿瘍という膿の溜まりを作ります。これは非常に痛く時には高熱を伴います。この膿が肛門の外側に自然にあるいは手術によって排出されてできたトンネルが痔瘻です。痔瘻には浅くて単純なものから深くて複雑になったものまで様々な状態があります。痔瘻の診断・治療は難しく熟達した専門医の診療が必要です。
裂肛(きれじ)
硬い便の通過や、下痢の強い勢いなどで、肛門の出口付近が切れたものを裂肛といいます。俗に「きれじ」と呼ばれます。知覚神経(痛みを感じる神経)が通っている部分が切れるため痛みは強いのですが、出血は少ないです。再発を繰り返し慢性化して肛門潰瘍を形成する場合があります。その結果、肛門狭窄を引き起こし排便に支障をきたします。
痔の治療法
痔核(いぼじ)の治療法
内痔核
当院では、主に痛みが少なく再発が少ない古典的な結紮法(分離結紮術・ふり分け結紮法)を行っています。また最近はジオン注射の成績がよく、痛みの少ない痔核根治術に近い方法となっております。古典的結紮法とは痔核根部に二重の糸を通し、1本ずつ左右に糸を分けて強く縛る術式です。痔核は根元から取れるので根治性が高く、日常生活を行いながら治せる治療で、再発も非常に少ないので、普遍的な古典術式と言われています。
外痔核
初期段階(血栓性外痔核)であれば、痛みと腫れが強いのですが坐薬や軟膏などの薬による治療で血の塊が吸収され治癒します。 しかし、しこりが肥大化している場合や痛みに耐えられないときは比較的簡単に血栓を除去したり、根治的に外痔核全体を結紮したりします。
痔瘻(じろう)の治療法
痔瘻に対しても古典的痔瘻根治術を実施しています。当院で開発した独自のゴム紐(アラビアゴム含有・黒川式ゴム)を使用したシートン法(1995年に論文発表)を原則としています。外科的治療で治り難い複雑な痔瘻に対しても黒川式ゴムは有効で力を発揮します。また、痔瘻を融かす古典的な特殊な糸(薬線)を入れて少しずつ痔瘻を融かし取り除く場合もあります。これらの古典的な痔瘻の手術は古典的に伝承されたもので、肛門機能に影響を与えることなく、傷跡もほとんど目立たなくきれいに、かつ普通の日常生活をしながら出来る手術で根治性の高い優れた治療法です。
裂肛(きれじ)の治療法
軟膏や座薬、それに便秘も原因なので下剤も使います。ただ、下剤の量は極力にとどめ、便は少し形のある程度の柔らかさにして、徐々に下剤をやめていきます。また、肛門が狭くなっている時は、器具や指などを使って拡張しますが、治らない場合は手術で拡張したり、肛門形成術を行ったりすることがあります。